気をつけよう!食中毒
まだまだ身近な食中毒
細菌・ウイルスなど食中毒の原因になる物質がついた食べもの、有毒・有害な食べものを食べて起きる健康の障害を食中毒といいます。
夏に多いイメージですが、空気が乾燥する冬場にはウイルス原因の食中毒が増えるため、1年を通して気を付けることが大事です。
いまの時代は衛生環境がよくなってはいますが、案外身近な病気です。
気をつけるポイントをチェックしてみませんか?
食中毒予防の原則5つ
牡蠣にあたってひどかった、鯖にアニサキスがいて…などの話、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。ノロウイルスやアニサキス、ボツリヌス菌…など、さまざまな食中毒の原因があります。
食品にウイルスや細菌が付着していても、腐るのとは違って味や臭い・色が変わらないことが大半ですので、気づかずに食べてしまいやすい状態になります。
1)細菌を「付けない」=手を洗う
手にはさまざまな細菌やウイルスが付着しています。
食材にさわったり、調理をする前、食べる前には必ず手を洗いましょう。
また、生の肉や魚を切ったまな板で、加熱しないで食べる食材をそのまま調理するのは避けましょう。
使うたびにしっかりまな板や包丁を洗いましょう。焼肉などの場合は、生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸を分けましょう。
2)細菌を「やっつける」=加熱処理
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。
(死滅する温度・時間は原因菌・ウイルスによって違います)
とくに、肉料理は中心部までよく加熱しましょう。
3)細菌を「増やさない」=低温で保存
細菌の多くは、温度が高く湿度があると元気に増えます。とくに36℃前後でもっとも活発になります。
ですが、10℃以下では増殖が弱まり、マイナス15℃以下では停止します。
食べものに付着した細菌を増やさないために、肉や魚などの生鮮食品やお惣菜は買ったらできるだけはやく冷蔵庫に入れ、低温で保存しましょう。
ただし、冷蔵庫に入れても細菌は徐々に増殖します。冷蔵庫を過信せず、早めに食べましょう。
冷蔵庫の中身をつめこみすぎると冷やす力が落ちてしまうので、お気をつけくださいね。
4)細菌を「もちこまない」=健康状態の把握・管理
調理する人は細菌やウイルスに感染しないように注意しましょう。
嘔吐や下痢の症状がある場合は調理をしないようにして、台所にも入らないようにしましょう。
5)細菌を「広げない」=定期的な消毒と清掃
万が一、細菌やウイルスが台所にもちこまれても、食品に付着しなければ食中毒にはなりません。
こまめに手洗いをし、ふきんやまな板・包丁などの調理器具は洗剤でよく洗いましょう。
また、調理をする場所・台所は清潔にしておくといいですね。
余裕があるばあいは調理器具の熱湯消毒もおすすめです。
実際に食中毒になったら
こんな症状があるときは、迷わず医師に相談を!
- 水も飲めないほどのひどい吐き気や嘔吐がある
- 頻回の下痢やトイレから離れられないほどの下痢、血便がある
- 高熱がある
- 半日以上尿が出ていない、あるいは尿量がすくない
- からだがふらつく
とくに抵抗力の弱い人や高齢者は少しでも異変を感じたら受診してください。
乳幼児も抵抗力が弱く脱水症になりやすいので、早めに受診しましょう。
そうでない場合も、油断せず対処
1.経口補水液で水分補給
嘔吐や下痢をしていると、水分もいっしょに体から出ていってしまいます。
脱水症状にならないように、常温の経口補水液を少しづつ飲みます。
2.横向きの姿勢で休みましょう
吐いたものがのどに詰まらないように、横向きの姿勢で休みましょう。
3.下痢止めなどの薬は自己判断でのまない
一部の下痢止めのなかには、腸のなかの食べ物を押し出すはたらきをおさえるものがあります。原因物質の排出が遅くなり、結果として悪化したり長びかせてしまうこともあります。自己判断でのまずに、医師、薬剤師や登録販売師にご相談ください。
4.消化のよい温かいものを食べる
症状が少し落ち着いたら、体力を回復させるために食事をとりましょう。
弱っている胃腸に負担の少ないもの、水多めのおかゆやうどん、小さくきった野菜のスープなど、消化が良くて温かいものを食べます。
このような対処をしていても回復の兆しがなかったり、症状がひどくなるようなときはできるだけはやく医療機関を受診・相談しましょう。
迷った時はご相談ください。
今回の内容は、健康情報誌「エルエル」Vol.52 No.2 ”食中毒に気をつけよう!”の内容を一部抜粋・編集したものです。 冊子版には「家庭でできる食中毒予防チェックリスト」や「常日頃の胃腸ケア」、食中毒の原因分類表など、よりくわしい情報が掲載されております。店頭でさしあげておりますので、ぜひご覧ください。 |